越前かにとは

福井を代表する冬の味覚「越前かに」

「越前カニ」は、福井県の漁港に水揚げされる雄のズワイガニ(標準和名)のことです。 福井県の越前漁港、三国港、敦賀港、小浜港などで水揚げされますが、当店は、越前漁港で水揚げされたズワイガニのみを扱います。 漁獲後水揚げまでの間、冷温で保管されるため、鮮度や身質が良く、鮮度低下の早いカニミソやメスガニの内子(卵巣)も濃厚な旨味を持つことが特徴です。 福井県により90年以上にわたり皇室に特産品として献上されてきた歴史を持つとともに、同県を代表する水産物として全国的に高い知名度があり、重量当たりの単価は全国平均を上回っています。

目印は黄色いタグ

他県産と区別するために越前町漁業協同組合が1997年から雄に「黄色いタグ」を付けたことがはじまり。1999年から、福井県内に水揚げされる全ての雄かにに、2007年から雌のセイコガニに付けるようになりました。

全国唯一の献上ガニ

越前におけるズワイガニ漁の歴史は国内で最も古いといわれ、「越前カニ」という名称が出てくる最も古い記録は、1511年、室町時代に京都に住んでいた三条西実隆の日記に「越前蟹」という表現で見ることができます。 「越前カニ」は好漁場に恵まれ、品質の良さが高く知られています。全国で唯一の皇室献上ガニでもあり、その歴史は古く、明治43年12月に越前町(旧四ヶ浦町)で獲れた越前かにを皇室に献上したという記録が残っています。

越前かにが昔から美味しいと言われる理由

越前海岸の地形と漁場の近さ

越前海岸沿岸は急深で、カニの生息水域である水深250~400mまで一気に深くなります。港から船で約1~2時間で漁場に到着します。 そのため、カニをすぐに港へ運んで日帰りで水揚げが可能で、活きたまま競りにかけられることから、新鮮さをどこよりも保つことができます。 さらに漁場の地形が100m~150m~200m~と段々畑のようになっていることで、カニや魚にとって生息しやすい地形となっています。 これは他の地域には見られない越前沖ならではの特徴です。漁場に近い越前町が漁船数も最も多く、福井県一の水揚を誇ります。

寒流と暖流が作る好条件の漁場

カニの漁場となる越前沖は暖流と寒流のぶつかる海域で、栄養素が豊富な冷たい水と表層の温かい水が複雑に混ざることで、植物プランクトンが豊富になり、小魚、甘えびなどにも恵まれた漁場となり、エサが豊富なためカニも立派に育ちます。 冬の寒さ、海水の冷たさもひとつの要因で、寒さが厳しければ厳しいほどおいしくなるといわれています。また、越前カニの甲羅に注目してみると、甲羅の黒いツブツブがたくさんついていることが分かります。 これはカニビルの卵で、これが適度に付いている越前カニは、エサが豊富な良質の生息場所にいた証拠で、この黒いツブツブこそが、越前カニが立派においしく育ってきた証拠です。カニの甲羅に付くのは卵を産むためで、カニには全く害はありません。